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2006年8月30日 (水)

コーソツ主婦の靖国問題(2) おくればせ遊就館レポート!

8月中旬、靖国神社に参拝してみた。
小泉総理の靖国参拝がなぜ批判されるのか、この目で見ておこうとかねがね思っていたからだ。

平日のためか、8月15日の大イベントを控えてか、境内には軍服のコスプレ人も見当たらず、参拝客もまばら。お賽銭入れて真面目に拝む人数名。白のシャツに黒のスラックスの人たちは「幹部」っぽい雰囲気。いささか迫力不足で特別「荘厳さ」も感じず、そのまま「遊就館」へ。

大きな吹き抜けの無機質な館内。
意外な事に子連れ、外国人、ラフな服装の若者が目に付く。左手には復元されたゼロ戦、エスカレーターを上ると、出迎えてくれたのは馬に乗った「ちょいワル」フェイスの兵隊さんのブロンズ像。
奥へ進むと、
展示室入り口四方に「海ゆかば」の歌詞ほか、戦争関係のうたの垂れ幕と菊のご紋。
古代~戦国時代の鎧兜、弓、刀の展示。それが近代になって金モールの付いた軍服や銃刀類へ。戦争指導者のモノクロ写真の数々。天皇家の肖像画に皇室ご一家の写真パネル。皆保存状態も良く、美しくガラスケースにおさまっている。

ビジュアル的なものを見るのが精一杯なくらい広い館内。古文書の資料は読んでもわからんのでスルー。細長いパネルに延々と書き込まれた年表や、作戦の武勇伝、兵士の残した手紙など、じっくり見ていたのではとても時間が足りなくなりそうなので、映画を先に観る事にした。

映画の上映時間は50分。コイズミも大好きなヨシキとやらの歌声に乗せて、神社の境内が写り、「私たちは忘れない!」のタイトルバック。「フツーの」女の子のインタビュー。
終戦記念日頃になると頻繁に放送される「戦争ものドキュメンタリー」の暗いトーンとはかけ離れた明るい雰囲気の画面


惨たらしい死体やケガ人、焼け野原などの「美しくない」映像は皆無
そのかわりに、自国がどれだけ他国の横暴にあってきたか、それに対し国民がどれだけ勇敢に立ち向かったかを強調
このままでは侵略され植民地にされるしかない日本は、自衛のために戦争をするしかなく、アジアの独立をかけた日本の勇気ある決断に、アジアの人達も拍手喝采
その影で軍部に暗殺されたり、言論弾圧に苦しめられたり、拷問で死んだり、戦地で自決を迫られた人たちのことはオールスルー!
イタリアやドイツなどのファシスト政権と手を組んでいた事もさらりとスルー
満鉄爆破事件までをも「しかたがなかったこと」と弁明
東京裁判では東条英機を「被害者」として美化

複雑な「戦争に至るまでの道のり」を、単純に一面的にとらえ、「とにかく日本は悪くなかった」の一点張り。
しだいに高揚するナレーターの女性の声のテンションはまさに「ピョンヤン放送」もとい「大本営発表」。
この空間では未だ「戦前」の価値観がまかり通っているのか
と、愕然とさせられた。

ふと横を見ると、隣の男性が手でしきりに涙を拭っているではないか

げ、と思い暗い館内を見渡すと、前の方では若い女の人がやはりハンカチを目元に当てている。へぇ~~~っっ???
逆に、お年よりは冷静?で、前の席のおじいさんは、途中で席をたったり、あくびをしたり。正直、こっちのほうがマトモな反応かと思われ。
上映室を早めに出て、後から出てくる人の反応を観察。「今泣いてた?」って感じの、眼球真っ赤な人が数人。いずれも若者だった

ある意味「感動」するのは、当たり前である。
あのビデオは歴史の都合の良い部分だけをつなぎ合わせ、都合の良い解釈をして、感動させるように作られているからだ。それが、何の知識も先入観もない若者の真っ白な心に、うまく入り込むのだと思う。

そして出口には、戦闘機やら戦車やら大砲やら人間魚雷「回天」やらの巨大武器類の展示が、復元も終え「誇らしげに」並ぶ。そして戦火で散っていった「純粋な」英霊のパネル写真
さらにたたみかけるように、お土産売り場では、「のらくろ」グッズや、「つくる会」関係の書籍、小林よしのりなどの本がずらりと並ぶ。

「みんな、感動を、ありがとう!」

「物語よりも素晴らしく美しい真実が、ここにあったんだね。」

「僕達私達、日本人としての誇りを持たなきゃだよね。」

「こんな素晴らしい祖国を守ってくれた英霊達のことを、私たちは忘れない!

そんな気持ちになる「戦争を知らない世代」がいたとしても、おかしくはないと思わされてしまう。
しかしその先に、「私達も歴史の一部になろう!!ヤスクニで会おう!!」という流れがあるならば、危険だと感じざるをえないのだが・・・

(つづく)

ちなみに、このビデオの企画・製作は「日本会議・英霊にこたえる会」。
「日清・日露の大戦から大東亜戦争まで・・・。我が国近代史の戦争の歴史を、当時の貴重な映像で再現し、東京裁判で歪められた歴史の真実に迫るドキュメント映画」なのだそうです。



↓ 「日本会議」とはなんぞや、ってことで、Wikiはすぐにリンクが切れちゃうので、コピペしときました。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

日本会議 (にっぽんかいぎ)は、日本最大規模の保守主義・民族主義系の政治・言論団体。


愛国主義・反共を基本スタンスとし、伝統的保守主義の立場から提言を行っている。西村慎悟や平沼赳夫、下村博文などの保守系国会議員との結びつきが強い。「全日本愛国者団体会議」などと同じく、各保守系団体同士の連絡機関(労組で言うところの「ナショナルセンター」)の役割も果たしている。一般的には財界系右翼団体と認識されている。

前身は「日本をまもる国民会議」(保守系文化人・旧軍関係者中心。元最高裁判所長官の故石田和外が呼びかけて1978年に出来た「元号法制化国民会議」が改組)と「日本を守る会」(神道仏教系宗教・修養団体中心、神社本庁解脱会国柱会霊友崇教真光モラロジー研究所倫理研究所キリストの幕屋仏所護念会念法真教オイスカ・インターナショナル三五教などがメンバー。カルトと指摘された団体も一部含まれる)。両団体が統合する形で1997平成9年)5月30に発足した。9ブロックに区切られた47都道府県のほぼ全てに支部または類似組織が置かれている。毎月、機関紙『日本の息吹』を発行している。

文化人から政治家財界官僚出身者、宗教家、民族派団体活動家まで各方面の広範・多彩なメンバーを擁し、国益と伝統的価値観に基づき、憲法改定問題、教育基本法改定や道徳教育などの教育問題、靖国神社参拝の推進活動、皇室典範改正や、外国人参政権夫婦別姓人権擁護法案に反対するなどの主張・活動を展開している。

日本会議国会議員懇談会(会長:平沼赳夫)248名の国会議員が属する。

<日本会議の主な役員>
会長:三好達(元最高裁判所長官
副会長:小堀桂一郎東京大学名誉教授
 〃 :石井公一郎(元ブリヂストンサイクル社長・元東京都教育委員)
 〃 :山本卓眞(富士通名誉会長)
 〃 :小田村四郎(元拓殖大学総長・元行政管理事務次官)
 〃 :安西愛子(声楽家・元参議院議員)
事務総長:椛島有三(関連団体日本青年協議会元代表)
理事長:中島精太郎明治神宮権宮司)
日本会議国会議員懇談会会長:平沼赳夫
 〃 会長代行:中川昭一


<関連項目>
憲法改正論議
チャンネル桜
正論
産経新聞
諸君!
SAPIO
日本青年協議会
新しい歴史教科書をつくる会



↓ ついでに「はてな」の方も一部引用(肩書きとかがちと古いね。)

「日本会議」は、日本最大の保守系団体である。「新しい教科書をつくる会」、「北朝鮮拉致家族を救う会」「北朝鮮拉致家族を救うブルーリボンキャンペーン」などの本体である。

 「日本会議」は、
1.憲法改正 
2.教育基本法改正 
3.靖国公式参拝の定着 
4.夫婦別姓法案反対 
5.より良い教科書を子供たちに 
6.日本会議の主張の発信、の6大スローガンを掲げて活動している。

「日本会議国会議員懇談会」の方々
会長麻生太郎総務大臣) 
会長代行:中川昭一(経産大臣) 
副会長:谷垣禎一(財務大臣) 
副幹事長:小池百合子(環境大臣)
副幹事長:安倍晋三(前自民党幹事長)
小野清子(国家公安委員会委員長)
石破茂(前防衛庁長官)

・・・・いや~、そうそうたるメンバーですな。(^^;)

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コメント

TBありがとう。
靖国&遊就館、ワタシもかねがね行きたいと思っているんですが、田舎者のため、なかなか機会を得られずにいます。「そのもの」もさることながら、周囲のニンゲンウォッチの様子は凄惨ですね。自分の涙になんの疑問をもたず、洗脳され、肥大化し、ウヨと化す若者が多くいることに愕然とします。

投稿: dr.stonefly | 2006年8月30日 (水) 09時17分

す・・すごい!考察が深い!!
日本会議の話まで出てくるとは・・
とりあえず激励がてらコメント入れさせて頂きました。
#お玉もいきたかった(T_T)

投稿: お玉おばさん | 2006年8月30日 (水) 14時17分

●dr.stoneflyさん、こんばんわ(^^)
この「ビデオ洗脳」のいや~な感じ、以前私が友人に連れて行かれた「統一協会」で受けた印象と、そっくりなんですよ・・・。

●お玉さん、激励コメント、嬉しい(^^)
> 日本会議の話まで出てくるとは・・
私もビデオ製作欄見てたまげました。
だからいろいろ「無かった事に・・・」されてるんですね。(爆)

投稿: ぷら | 2006年8月30日 (水) 20時19分

ぷらさんレポートありがとうございます。
地方に住んでいる者にもどんな場所かわかりやすかったです。

その日本会議は、数年前には夫婦別姓批判をしたり、男女共同参画に反対したり・・・と、フェミニズムの論客からも批判されていましたね。

ちなみに、私が住んでいる自治体は「反動議会」と呼ばれてますの(T_T)。

投稿: PFC | 2006年8月30日 (水) 20時45分

「英霊にこたえる会」といえばサイトも持っていますが、ひどいですね。参考にと思って覗いたとき、気分が悪くなりました(開いた途端、軍歌?が流れてくるんですから)。特に「未成年に靖国を伝える」というコンセプトで作られたページは、正直言って背筋が寒くなりました。子供にこんな変なことを教えるな~。ぷらさんの記事を読んだおかげで、私も「英霊にこたえる会」のサイトの批判(というか、サイトを見て思ったこと)を書いておこうかな……という気になりました。今のところ、気、だけですが。

投稿: 華氏451度 | 2006年8月30日 (水) 23時51分

●PFCさん、いつもありがとうございます。(*^^*)
> その日本会議は、数年前には夫婦別姓批判をしたり、男女共同参画に反対したり・・・と、フェミニズムの論客からも批判されていましたね。

保守のかたがたのフェミニズムやジェンフリに対する過剰反応、「成城トランスカレッジ」の「ジェンダーフリーとは」内の突っ込み面白いですよね。(^^)

投稿: ぷら | 2006年9月 1日 (金) 03時52分

●華氏さん、
> 「英霊にこたえる会」といえばサイトも持っていますが、ひどいですね。

さっき覗いてきましたよ~、いや~すごいすごい。(爆)ワシは華氏さんと違って繊細ではないので、気分が悪くなるどころか笑ってしまいましたが・・・酷すぎて面白いぞ。ブックマークしちゃいました。(^^)よしりんも大活躍だ~~(爆)

> ぷらさんの記事を読んだおかげで、私も「英霊にこたえる会」のサイトの批判(というか、サイトを見て思ったこと)を書いておこうかな……という気になりました。今のところ、気、だけですが。

気だけとおっしゃらず、ぜひ書いてください。ワシも便乗いたしますで。(もみ手)

投稿: ぷら | 2006年9月 1日 (金) 03時58分

ぷらさま レポート興味深く拝見しました。
戦争でお亡くなりになった方々を祀るのは生きてる後輩たちです。後輩たちの思惑で靖国をもてあそんでいる・・・強く感じますね。
そっとしておいてあげたい、それから普通に争いのない暮らしを見ていてもらいたいもんですね、先輩方には。
ではでは。

投稿: こば☆ふみ | 2006年9月 2日 (土) 10時07分

こんばんは。このたび、この記事の題名をかなりリスペクトした記事を書いてみました。迷惑でしたら、すぐにでも題名を変更する所存です。あわせて、私のような者がここに書き込むことは控えた方がよいでしょうか。

投稿: バイリニア | 2006年9月 2日 (土) 23時25分

●こば☆ふみさん、こんばんわ(^^)
> 後輩たちの思惑で靖国をもてあそんでいる・・・強く感じますね。
> そっとしておいてあげたい、それから普通に争いのない暮らしを見ていてもらいたいもんですね、先輩方には。

もし霊魂の存在があるのなら、「自分達のような思いは二度とさせたくない」と思っているでしょうね。参拝する方も、純粋に「慰霊」が出来、「二度と戦争は起こしません」と言えるような神社であって欲しいです。
でもあのビデオや展示を見るかぎりでは・・・(苦笑)
映画「蟻の兵隊」だったか、靖国神社内のインタビューで、右翼らしき男性が、「次は勝つぞ」的発言をしていたのが、今の靖国を象徴していると思ってしまいました。

投稿: ぷら | 2006年9月 3日 (日) 19時53分

●バイリニアさんおひさ~(^^)
> このたび、この記事の題名をかなりリスペクトした記事を書いてみました。迷惑でしたら、すぐにでも題名を変更する所存です。あわせて、私のような者がここに書き込むことは控えた方がよいでしょうか。

何をおっしゃる、大歓迎ですよ。
バイリニアさんの視点からは、発見させられる事がとても多いです。(^^)
リスペクトしてくれて嬉しいぞ~。
時間のある時に、そちらにもコメントしに行きますネ。

投稿: ぷら | 2006年9月 3日 (日) 19時57分

ずいぶん前の記事への投稿で恐縮です。私も先日初めて遊就館へ見学に行ってきたのでコメント。

軍事博物館は世界中にあり、それらを見た経験からすれば、特に違和感はありませんでした。

館内上映の映画や展示解説の記述に関して問題視されるているようですが、博物館はやっぱり展示されている「物」が主役。あれだけ近・現代史の資料がまとまってあるというのはある意味貴重です。「物」を見てどう感じるかは、一人一人自分なりに思索すればいい。

ただ、歴史を考える際に、正邪曲直を持ち込まない注意が必要かと思います。歴史観などというものは、国ごと、あるいは人によって異なるのが普通で、どれが正しいということはありません。

多様な歴史観のひとつとして、遊就館の展示があるのだと、そう考えれば、おかしいとか、おかしくないとか言う水掛け論にはならないのではないですか。

投稿: 小金 | 2008年1月24日 (木) 18時53分

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